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形成外科


乳房再建用インプラントの発がん問題についての当院の見解

2019年9月5日

概要

形成外科では先天性、後天性に生じたあらゆる体表の醜形に対して、治療を行っています。当院では、特に唇裂口蓋裂を中心とする顎顔面先天異常の治療、熱傷や顔面骨骨折などの外傷の手術、乳房切除後の変形に対する再建術、皮膚悪性腫瘍の治療に力を入れています。

施設認定

  • ・日本形成外科学会認定施設
  • ・エキスパンダー実施施設
  • ・インプラント実施施設

スタッフ紹介

大守 誠

役職 部長
学会専門医・認定医
日本形成外科学会形成外科専門医
日本形成外科学会皮膚腫瘍外科分野指導医
日本形成外科学会小児形成外科分野指導医
日本頭蓋顎顔面外科学会専門医
神戸大学医学部非常勤講師
東京医科大学兼任講師
徳島大学客員教授

上田 美怜

役職 副医長
学会専門医・認定医  

掛川 莉花

役職 医員
学会専門医・認定医  

「病気・検査・治療」について、詳しくはこちらをご覧ください。

リンパ浮腫外来

当院では原発性リンパ浮腫、続発性リンパ浮腫の治療に取り組んでいます。
予防のための生活指導、診断のための検査、治療(保存療法・手術治療)等について、医師、看護師、リンパ浮腫療法士がチームとなり対応しています。
リンパ浮腫はいったん発症すると完治することが難しいと言われており、日々の生活のなかで悪化しないように長く上手に付き合っていくことが重要です。そのためには医療者だけでなく、患者様ご自身の自己管理が非常に重要になります。

1.リンパ浮腫について

リンパ浮腫とは、何らかの理由でリンパ液の流れが悪くなり、皮下にリンパ液が溜まりむくみが生じることです。

1)リンパ管の流れ

リンパ管は全身に張り巡らされており、静脈と協力して全身に送られた血液成分を心臓に戻す働きをしています。
体の細胞で不要になったものやタンパク・脂肪などを運んでいるリンパ液は、リンパ管を通って首の下にある静脈角で静脈と合流します。
手術やケガなどでこの流れが遮断されるとリンパの流れが滞り、細胞の隙間に水分が貯まりリンパ浮腫という症状になります。

リンパの流れ

2)原発性リンパ浮腫と続発性リンパ浮腫

原発性リンパ浮腫はリンパ管やリンパ節などの先天的な発育不全などにより発症すると言われています。生まれた時から症状が出ている場合(早発性)と、35歳くらいまでは症状がなく、それ以降に浮腫が発症(遅発性)する場合があります。
続発性リンパ浮腫は、乳がんや子宮がん、卵巣がん、前立腺がんなどの外科治療で、がんが他の臓器に転移することを予防するために行うリンパ節郭清術の後遺症、放射線治療や抗がん剤などの治療の影響によりリンパ管の閉塞や機能障害が起こるためと考えられています。発症時期は個人差があり、手術後数か月から10年~30年後に発症する場合もあります。もちろん、生涯発症しない方もあります。

上肢のリンパ浮腫

下肢のリンパ浮腫


3)リンパ浮腫の病期分類

国際リンパ学会(International Society of Lymphology;ISL)分類を用います(表2)。
0 期は発症していないが、潜在性にリンパ浮腫のリスクを有する状態をいいます。

表2 病期分類(国際リンパ学会)
0 期 リンパ液輸送が障害されているが、浮腫が明らかでない潜在性または無症候性の病態。
Ⅰ期 比較的蛋白成分が多い組織間液が貯留しているが、まだ初期であり、四肢を挙げることにより治まる。圧痕がみられることもある。
Ⅱ期 四肢の挙上だけではほとんど組織の腫脹が改善しなくなり、圧痕がはっきりする。
Ⅱ期後期 組織の線維化がみられ、圧痕がみられなくなる。
Ⅲ期 圧痕がみられないリンパ液うっ滞性象皮病のほか、アカントーシス(表皮肥厚)、脂肪沈着などの皮膚変化がみられるようになる。

2.リンパ浮腫の治療

1)複合的治療(保存的治療)

標準的な複合的治療とは、弾性着衣・多層包帯法による圧迫・スキンケア、圧迫下の運動、用手的リンパドレナージ、セルフケア指導が基本となります。
 
 ①スキンケアや予防指導、日常生活指導 
  スキンケアの目的は、皮膚(爪を含む)の保清と保湿を維持し、健康な組織の状態を保つことによって感染の危険性を減少させることです。特に発症後は、患肢の清潔を保 持するとともに、保湿効果の高い皮膚軟化剤で十分な湿潤化を習慣化し、常に血行が良好な健全な状態を保つようにセルフケア指導を行います。

 ②弾性着衣による圧迫療法 
  リンパ浮腫病期Ⅰ期や手足の形状の歪曲がないⅡ期は弾性着衣の適応で、弾性ストッキングや弾性スリーブなどを用いて、浮腫のある部位を圧迫します。
  また、正しく着脱できるように指導します。

弾性ストッキング 弾性スリーブ 弾性グローブ

出典:がんと療養205 がん治療とリンパ浮腫
(国立がん研究センターがん情報サービス)

 ③多層包帯による圧迫療法
  手足の形状に歪曲がある、あるいは浮腫が著明で弾性着衣の装着が困難なリンパ浮腫病期Ⅱ期以降のリンパ浮腫の方に適応する圧迫療法です。
  専用の包帯を用いて、浮腫のある部位を圧迫します。

  • 多層包帯による圧迫療法 包帯

  • 多層包帯による圧迫療法 腕

  • 多層包帯による圧迫療法 足


 ④用手的リンパドレナージ(MLD)
  細胞の隙間に過剰に滞っている組織液やリンパ液を専門的なマッサージ技術により、健康なリンパ管へ誘導してむくみを改善させることを目的に行います。

 ⑤圧迫下での運動療法
  弾性包帯・弾性着衣により患肢を圧迫した状態で、筋肉のポンプ作用を活かして効果的に組織液やリンパ液を促す運動を行います。

2)外科的治療

 ①リンパ管静脈吻合術
  がんの手術治療などで遮断されたリンパ管を静脈に繋ぎ、リンパ液をバイパスさせてリンパのうっ滞を解除します。
  局所麻酔で2cm程度の皮膚切開を行い顕微鏡下で行う低侵襲の手術です。

 ②血管柄付きリンパ節移植術
  リンパ管静脈吻合術で、効果の出にくいケース(リンパ管の発達が元来未熟な場合など)に対しては正常に機能しているリンパ節をその栄養血管とともに採取して、浮腫を起こしている部位に移植します。移植した正常なリンパ節からリンパネットワークが再生することで、リンパ機能が回復することを意図した手術です。

3.リンパ浮腫診療の流れ

1)形成外科外来受診
 ①形成外科外来は完全予約制のため、事前に電話で予約をお取りください。
 ②淀川キリスト教病院が初めての方は、かかりつけ医で相談の上、紹介状をご持参のうえ、予約をお取りください。

 ■ご予約はこちら
  淀川キリスト教病院代表 0120-364-489
  予約受付時間      月~金 14:00~17:00
 

2)形成外科診察
 ①問診、視触診を行います。
 ②感染症状や炎症反応の有無、緊急処置が必要な疾患の鑑別、リンパ浮腫であった場合でもリンパドレナージや圧迫療法を行ってはいけないような疾患があるため、その確認のための検査を行います。

3)検査について
 ①血液検査:炎症反応、栄養状態、肝臓・腎臓・電解質の状態 他
 ②四肢の静脈エコー:深部静脈血栓の有無と静脈の流れについて確認します。
 ③造影CT:血栓の有無を確認します。
 ④ICGリンパ管造影:インドシアニングリーン(ICG)という色素を皮膚の下に注入して、特殊なカメラで見ることでリンパ管の流れの状態を観察します。
 ⑤リンパ管シンチグラフィ:指の間に薬剤を注射しリンパ管に取り込まれることで、リンパ管の強さ、リンパ液がたくさん溜まっているところ、また深いところのリンパ管の状態などがわかります。(2018年から保険適応になりました)

  ※①~⑤すべての検査を行うわけではありません。
  ※検査は受診当日にできるものとできないものがあります。
  ※浮腫がリンパ浮腫ではない、もしくは他に原因がある可能性のある場合、
   後日当該診療科を受診していただくことがあります。

4)リンパ浮腫の診断がつきましたら、病期に応じて複合的治療(保存療法)の計画を立て、リンパ浮腫看護外来を受診してしていただきます。
  ※当院のリンパ浮腫外来は自費診療です。

4.リンパ浮腫看護外来について

リンパ浮腫看護外来のご案内

1)外来実施日:完全予約制 毎週木曜日午後

2)対象者      :当院通院中の方、他院からの紹介の方、いずれも医師の診断と指示があり、
                         リンパ浮腫看護外来の説明を受け同意された方。

3)予約窓口   :リンパ浮腫看護外来

4)担当者    :今井  博美
                         日本医療リンパドレナージ協会認定 中級リンパ浮腫セラピスト
                         日本リンパ浮腫治療学会認定 リンパ浮腫療法士
                         乳がん看護認定看護師

5)受診の際のお願い
■完全予約制のため、時間は厳守でご来院ください。
■キャンセルされる場合は、必ず事前に「リンパ浮腫看護外来」にご連絡ください。
■予約の変更は、電話・もしくは「リンパ浮腫看護外来」で対応しています。

6)連絡先  :淀川キリスト教病院 0120-364-489 代表電話 月~金 10:00~16:00
                    音声ガイダンスの後、9番を押して「リンパ浮腫看護外来につないでください」とお伝えください。

7)  内容と料金
※当院のリンパ浮腫の治療は、医療保険や介護保険の適応はありません。自費診療となります。また、保険診療上の決まりで、他の保険診療と同日の受診はできませんのでご了承ください。

複合的治療(保存療法)の内容 料金(税込)
上肢 下肢

≪相談・日常生活指導≫
スキンケアや予防指導、日常生活の留意点等について

45分 2,750円
≪弾性着衣による圧迫療法≫
弾性着衣の選定から圧迫療法、着脱指導等を行います。
※弾性ストッキングや弾性スリーブなどの材料代は別途かかります。
 (療養費補助が適応される場合があります)
60分 3,300円
≪バンテージ(多層包帯法)による圧迫療法≫
※多層包帯などの材料代は別途かかります。
(療養費補助が適応される場合があります)
60分
3,300円
60分
4,400円
≪リンパドレナージ≫
皮膚の下に溜まったリンパ液を、正常に機能しているリンパ管に流します。
60分
4,400円
60分
5,500円
≪リンパドレナージ+バンテージ(多層包帯法)≫
圧迫療法の効果をより高めるために、リンパトレナージと多層包帯法を合わせて行います。
90分
6,600円
90分
7,700円
≪セルフリンパドレナージ≫
ご自身でリンパドレナージができるように指導します。
45分 2,750円